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むう、っとしてそっぽを向いてしまった先生にお姉さんは動じることもなく、続ける。
「返事!」
「………ハイハイ」
「はい、は一回!!」
「ハイハイハイ!!!」
「ムッカツクー!!
郁ちゃん。考え直すなら今よ?
姉として正直、オススメできないわ」
私を抱きしめながら、大きなため息をつく
お姉さんに先生の声が一段と荒くなる。
「カオルっ!!」
「は、はい」
怒声混じりの呼び声に身体にピリッと電流が走り、お姉さんの腕からすり抜ける。
「………おいで」
不機嫌を全面に露わにした顔なのに、ぼそりと吐き出された声は。
とてもか細くて、でも甘くて。
胸がぎゅう、とその蜜に締め付けられる。
隣に立つお姉さんの顔を伺うと、大きく目を見開いて面食らっているようだったけれど。
私と目が合うと、ゆっくり表情を和らげた。
ーーー先生そっくりの、笑顔。
ああ………どうしよう。
なんだか泣きそうだ。
お姉さんは私に小さく頷くと、そっと背中をポンポン。
繊細な手で送り出してくれた。
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