2 初対面

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私はその男を、しっかり見てやると。 笑っている。 けど、目が笑っていない。 でも、何だろう…。 嫌いになれない。 顔がいいから、自信が有るのね。 だから、きっと性格が悪いんだ。 この人、初対面なのにキツイ。 私は、すぐさま言ってやった。 「じゃあ、もし今後、私達がうるさかったら、絶対に言いに来て下さいね?私も、結構騒音だとか、気にしちゃう性格だから…」 私は素直に伝えると、 「妻が妊娠中で、今は実家に居ましてねぇ…」 って、えぇっ…?! ウソッ…。 結婚してるの?! こんなに、カッコいいのに?! 「………」 その言葉に私は、本気でショックを感じた。 やだな、予測付かなかった言葉にうろたえて、言葉が見つからない。 何だ…結婚してるんだ…。 そっか…一人で住んでるんじゃないんだ…。 「こちらこそ、妻と子どもが戻って来たら、騒がしくなると思いますので、その折りには、ご迷惑をお掛けするかも知れませんのでね。まぁ、お互い様って事で大目にみて頂けたら、さいわいです」 「…はい…」 また、この人の口から、妻と子と出た。 ズキッ…ズキッ… 凄く胸がまた、痛くなった。 傷付いてる痛み。 鋭いナイフが、心を切り裂く痛みが走った。
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