4 他所の旦那

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彼氏が休みの日。 彼は、珍しく朝から機嫌が良くて、 「なぁ、ちょっと駅前に気になる喫茶店を発見してさぁ、今から行ってみない?」 「えっ?朝から?!」 私にしばらく触れもしてこなかった彼が肩に優しく触れる。 一瞬ビクッとした。 だって、この人。 平気で怒ると手を上げるんだもの。 「どうやら、モーニングが好評らしいんだ」 「そうなんだぁ♪」 なのに私は、嫌な事も忘れてないうちから、この人に笑顔を向けてしまう。 「久しぶりだなぁ、モーニング」 「そうだね」 まだ、実家暮らしをしていた時には、よく早朝から彼とは会っていて。 朝はモーニングして、デートして、深夜遅くまで一緒にいた。 その時に彼が言った。 《早く一緒に住みたいね》 私にはその一言を、とても重く感じて。 プロポーズだと勘違いしてしまったのかも知れない。 今思えば、ただ。 彼は、ただの思い付きだったのかも知れない。 散歩がてら、手を繋いで駅前の喫茶店へと到着。 「えっと、モーニング2つ下さい」 この人、凄くニコニコしてる。 自分の機嫌が良い時だけ、人に優しく出来るだなんて…。
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