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今まで何人もの男と、それなりに交際してきた。
けれども、ここまで。
ここまでの最悪最低男との縁はなかった。
あんな、スナックやら、バーやら、ヘルスへと出掛けて行ってしまう男は、さすがに居なかった。
もし、行ったとしても仕事上。
しかも今までの彼氏は、なんぞかんぞで仕事の話もプライベートの事でも、聞けば彼女である私に、必ず伝えてくれていた。
だからか、余計にこっちまで頭ん中が大混乱していた。
しかし、その前に。
やっぱり怒りも収まらない。
そんな所へ行くよりも、先に片付けなきゃならない大切な手続きがあるじゃないバカ!
とは言えども、本気でバカだからどうしようもないか…。
昼間に干してあった洗濯物に手を伸ばす。
ベランダから見えたのは、101号室の永田さん。
タバコを加えて、いつもの場所で、一人で立ち尽くしていた。
私はベランダに手をかけて、しばらくその姿を静かに見つめていた。
また、戻って来てたんだね。
我が家に少しの時間でも、とどまって居たいと思う人も居るのに…。
私の選んだアイツは、本当にダメ人間だ。
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