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彼氏が隣りで寝てる姿を見て、本当は安心しなくてはいけないはずなのに。
最近凄く、ヘドが出る程、その白々しい態度にイライラして眠れないでいた。
だからと言って、昼間も気温が暑くなってきたとは言えども。
やっぱりアイツの嘘話を思い出すと、イライラして落ち着かないもんだから、昼寝も出来ない。
もぉ、頭おかしくなりそう。
暇人みたいに言われて、悔しい。
こんな知らない土地で、友人も親しい人も居ないのに。
誰か…助けて…。
誰か…助けてよ…。
どうやったら、気持ちを切り替えられるの?
すると、下から物音がした。
カタカタカタ…。
静かに窓の戸が開く音。
私は耳を澄ます。
咳払い…。
あっ、もしかして、永田さんかなぁ。
また、ここに帰って来たんだ。
…良かったぁ…嬉しい…。
って、何故か私がこんなにも安心していた。
心が乱れていたから、彼の出す物音に、やっと芯が一本通った気がした。
涙が頬をつたって、身体が優しい気持ちで包まれる。
あの時の20分足らずの、永田さんとの時間は、私にとったら本当に大切な時間だったと、ひしひしと感じた。
話もろくに出来ない、私の彼。
よその家の中の話なのに、あんなに最後まで私の話を聞いてくれる、下の階の旦那様。
全然、違う…。
全然、違い過ぎるわ…。
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