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アイツの嘘話と、アイツの鬼のような怒った顔と、そして暴力…。
悪魔の皮を被った善人面した男との結婚は、取り止めた方がいいのかなぁ…。
でも、取り止めたら…。
ここを離れる事になったら、せっかく仲良くなれた永田さんの側には居られなくなる。
だけど、あと数日したら実家に戻ってる奥さんと赤ちゃんが帰って来る。
申し訳ないけど…。
私は、永田さんが好きだ。
きっと、仲良い声を聞いたら私は嫉妬する。
嫉妬して、それこそ今以上に頭がおかしくなってしまうかも知れない。
…って、そんな自分を今から想像して、また落ち着かなくなってる。
どうしよう…。
優しくしたくて、あんな言葉を掛けてくれた訳でもない永田さんを…本気で好きになってる。
自分の心がいつもより、弱いだけで。
全く見ず知らずの永田さんに、こんな寂しい私をもっと見つめてと、すがってしまっている…。
涙がまた込み上げる。
永田さんに…
抱き締めて貰えたら…
きっともう少し、気持ちが収まるのに…
こんなに近い場所に居る人なのに。
こんなに遠い人。
他の誰かのモノだなんて…。
…悔しい…。
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