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彼氏は、帰宅してから私と顔を会わせたくないみたいで、相変わらず深夜帰りで、私を起こさないように朝も早めに家を出て行くようになった。
遅くなるという連絡一つすらもない。
私は正真正銘、一人暮らしのような生活になっていた。
ある日の昼中、
下にあるポストに手紙を取りに行くと、市役所からの封書。
もしかして、これ…。
「はぁ~っ…」
深い溜め息しか、もう出て来ないよ。
その時だった。
101号室の扉がガタッと開いた。
私は急に開いた扉に驚いて、封書を落としてしまった。
驚いていたのは、永田さんも同じで。
「すいません、驚かせちゃったかなぁ…」
そう言って、封書を拾ってくれた。
「あの、そんな事ないです…」
「はい、これ」
「あっ、ありがとうございます…」
私は封書を受け取り、こっそり上目遣いで永田さんの顔を見る。
ドキッ…
やっぱり、凄くカッコいい。
作業服の袖を少しだけ捲って、ちらりとナマ腕が見えた。
しっかり守って貰えそうな、色白なのに強そうな骨太な腕。
やばい。
久しぶりに間近で見たから、緊張する。
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