2 初対面

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……。 あれっ、なんで…。 なんで、まだ私を見てるんだろう…。 距離の有る場所にも関わらず、彼の視線をまだ感じる。 まるでわざと目を合わせるために、私を見続けているように思えた。 私は思いきって視線をそらして、また2、3歩だけ足を進ませた。 でも、もう一度だけ振り返って見ると。 その男はやっぱりまだ、私だけを見ていた。 目を薄めて見つめていたのだ。 キュッ… 心臓が少しだけ縮んで、胸が痛くなった。 なんだろう…この感覚って…もしかして…。 彼がどうして、私を見続けているのか知りたくなった。 というよりも、私の足が自然とまたアパートの方へと進んでいたのだ。 私の戻って来る様子を、男はタバコの煙を吹きつけて、 やっぱりな…。 って、顔をして、ニヤリとまた少しだけ口元を緩ませ、タバコの火を消した。 その瞬間から、スローモーションのような時間が流れはじめた。 吸い込まれるような。 引き寄せられるような。 こんな感覚、始めて…。 そんな運命を感じた出逢いだった。 私の足取りは軽く。 だけども、どうしてあんな場所で、こんな日中に居るのかが、不思議に思えたんだけど。 あの人が私たちの部屋の真下に住む、101号室の住人?
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