自首

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 ここはとある公立高校。この学校は少し校則が厳しく、携帯、スマホ等の電子機器は持ち込み禁止になっている。  まぁ、この校則を破る人もいる訳で。僕の隣に座っている荒木さんもその校則を破っている生徒の内の一人だ。荒木さんは生徒、教師には優等生で名が通っている。  だが、その優等生も校則を破っているのだ。  荒木さんがスマホをいつもいじっている場所は普通は誰も通らない所だ。僕はそこに事前に行き、隠れて、荒木さんが来るのを待っていた。  足音がした。荒木さんだった。荒木さんは周りを見渡す。僕は息を殺した。すると荒木さんはその場に座り込みポケットの中に手を突っ込んだ。スマホだ。  僕はその姿を写真に収めた。荒木さんに気付かれないようにその場を後にした。  廊下でバッタリ先生に会った。これは好都合だ、先生に報告してしまえば荒木さんは優等生の名を無くす。特に荒木さんには恨みなんて無いのだが。 「先生!!荒木さんがスマホをいじっているのを見ました!!これがその証拠写真です!!」  僕が画像を見せると、先生が険しい顔をした。そうだろう、荒木さんは教師の間では信頼されている生徒なのだ。その生徒が校則を破っているなんて知ったらそんな顔するのは無理は無いだろう。  先生は重く閉じていた口を開いた。 「その写真は、どうやって撮った?」  僕は手に持っている物を見た。 「あ……」  その後、僕と荒木さんは校則違反で厳重注意された。
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