第1章 愛とは時に悲しく…幸せで…前編

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「ふぅ…由奈ちゃん。こういう時は直接蹴り上げるのも手よ?」 「あっ!刹那お姉ちゃん!」 刹那は転がり悶える弥を踏みつけニヤリと笑う。 「そうかぁ…後もう一撃足りなかったんだねー!」 「そう!もう少しだったねー。」 「グゲゴアジベ……」 あれから刹那は玲奈と見分けがつきやすくする為、長い髪を左サイドテールに縛り、毎日忙しい玲奈に変わり由奈の遊び相手をしている。 「由奈ちゃん!朝御飯が終わったら、又次郎と遊ぼっか!」 「うん!」 由奈を子供のように抱き上げ抱きしめる刹那。 どうやら、由奈の事を気に入ってしまった様だ。 由奈も満更ではない。 「おい!刹那!! 人の息子をサッカーボールの様に良くも!!」 「あんた。 そんなに大きくないじゃない。」 「うるさい!失礼なやつめっ! 貴様も息子の仇リストに書きこんでやる!!」 「あんたねー。そんだけ女々しいとお姉ちゃんに嫌われるよ?」 「ぐぬぬ……」 「何よ!」 弥をジトっとした瞳で見下す。 踏みつけられたまま弥は刹那を睨み返すも何も言えなかった。 にらみ合う事数分後。 フライパンを激しく叩く音が聞こえ、玲奈がやって来た。
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