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(あんた達……。朝食抜き!)
「えー!!」
「なん……だと!?」
(行きましょう!由奈ちゃん。)
「うっうん。」
玲奈は刹那と弥を睨みつけると由奈に優しく微笑み食堂に向かっていった。
「くっ…チキショー!貴様のせいだぞ!刹那!!」
「何よ!あんたのせいでしょ!」
「ぐぬぬぬっ!」
「むーーっ!」
二人は至近距離でにらみ合うと側方向いて互いの部屋に帰っていった。
そして、自室に戻った刹那は制服のまま靴だけ脱ぎ捨て、ベッドに飛び乗る。
「ちぇっ!あーぁっ。あんなやつの為に朝御飯抜きだなんて……。
大体お姉ちゃんもお姉ちゃんよ!
!
あんなやつの蹴った位で……」
口ではそういうものの別に姉を恨んでいるわけではない。
自分が悪いのは理解しているのだが、気持ちが許さないのだ。
「あーもう!お姉ちゃんはなんであんな奴を!………」
かぁっとなる頭をこねくり回す様にかき回しながら悶えるとまるで寝起きの様な姿で起き上がる。
「……又次郎の頭でも撫でてこよ…」
〝もう……どうでもいいや……〟
そう思い、ベッドから降り背伸びをすると部屋の戸をノックする音が聞こえてきた。
「はーい。」
〝だれだろ……お姉ちゃんかな…〟
ゆっくり歩き、扉を開けるとそこには、両手でオボンを持った由奈が立っていた。
「由奈ちゃん!?
あっ。そうだったよ。
今、片付けるからねっ!」
「あっ。大丈夫だよ。刹那お姉ちゃん。
それより、これっ。」
由奈はオボンの上に乗せられたおにぎりと沢庵を差し出す。
「えっ!?これ由奈ちゃんが作ってくれたの?」
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