第1章 愛とは時に悲しく…幸せで…前編

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「うん!お爺ちゃんに材料だけ出してもらって、玲奈お姉ちゃんと作ったんだよ。」 満面の笑みを浮かべる由奈に、刹那は恍惚の表情を浮かべ、由奈からおにぎりを受け取るとベッド脇の台に置き、勢いをつけて走り由奈を抱きしめた。 「ありがとーぉ!由奈ちゃーん。」 「うわぁぁっ!刹那お姉ちゃん! ちょっと、やめて!くすぐったいよー!」 頬擦りまでする始末、由奈は驚きの余り、バタバタと暴れるもけして離そうとしない。 「お姉ちゃんは嬉しいゾーっ!」 「ひーっ!やめてよぉー!!」 刹那は数分由奈に頬擦りし、楽しんだ後、とっても艶日やかな表情で背伸びをする。 「んー!なんかどうでも良くなっちゃった! すぐご飯食べるから、又次郎と遊ぼうねっ!」 対する由奈は、疲労感に襲われ地にひれ伏しながら息を切らす。 「はぁはぁはぁはぁ……… 刹那お姉ちゃん……パワフルすぎ……」 「ん?由奈ちゃん!とっても美味しいよ!!」 刹那はおにぎりを頬張り、由奈に微笑む。 「………聞いてないし………」 〝ある意味……お兄ちゃんより凄いかも……〟 そう思いながらぐったりする由奈であった。
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