第2章

9/11
前へ
/27ページ
次へ
彼女いないのは分かったけど… 今、何気に好きな人がいるって… 「そっかぁ…ごめんね? なんか勝手に勘違いしちゃって」 口角を上げて笑ってみせたけど、ちゃんと笑えてるかなぁ…あたし 「いえいえ、なんかびっくりしました。 急に顔が変わるから」 「え?変わってた?」 「何となくですけど、地雷踏んだ感じでした」 「智哉くんも、イラッとしてたよね?」 「あ、分かりました?」 智哉くんは笑いを堪えたような表情で俯いた。 「なんか、痴話喧嘩みたいだったもんね」 「痴話喧嘩っすかぁ…たしかに。」 智哉くんは感情が顔に出るタイプではないみたいだけど、今は若干柔らかな表情で、イラついてる感じはしない。 「僕はそんな嘘はつきませんよ?」 「そんな?」 「んー…バレるような嘘です。」 「バレるような嘘?」 「突き通せる嘘しかつきません。」 「どういうこと?」 「絶対に裏が取れない嘘です。」 なんだか楽しそうに話す智哉くん。 「浮気しても認めない…みたいな?」 「違いますよ。 浮気ってことは、相手がいるでしょ? ソコからバレる可能性があるじゃないですか。」 「え…じゃぁ…なんだろ…」 まるで、なぞなぞだ(笑) 「楽しくないのに、楽しいって言うとか?」 「あ~、そんな感じなんですけど、僕、多分顔に出ちゃうので、それも無しです。 ぼーっとしてただけなのに、考え事してた。みたいなしょーもない嘘ですよ。」 「そうなんだ(笑)」 「と、言うことで、彼女はいませんし、結婚 もしてませんし、嘘もあんまりつきません。」
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加