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彼女いないのは分かったけど…
今、何気に好きな人がいるって…
「そっかぁ…ごめんね?
なんか勝手に勘違いしちゃって」
口角を上げて笑ってみせたけど、ちゃんと笑えてるかなぁ…あたし
「いえいえ、なんかびっくりしました。
急に顔が変わるから」
「え?変わってた?」
「何となくですけど、地雷踏んだ感じでした」
「智哉くんも、イラッとしてたよね?」
「あ、分かりました?」
智哉くんは笑いを堪えたような表情で俯いた。
「なんか、痴話喧嘩みたいだったもんね」
「痴話喧嘩っすかぁ…たしかに。」
智哉くんは感情が顔に出るタイプではないみたいだけど、今は若干柔らかな表情で、イラついてる感じはしない。
「僕はそんな嘘はつきませんよ?」
「そんな?」
「んー…バレるような嘘です。」
「バレるような嘘?」
「突き通せる嘘しかつきません。」
「どういうこと?」
「絶対に裏が取れない嘘です。」
なんだか楽しそうに話す智哉くん。
「浮気しても認めない…みたいな?」
「違いますよ。
浮気ってことは、相手がいるでしょ?
ソコからバレる可能性があるじゃないですか。」
「え…じゃぁ…なんだろ…」
まるで、なぞなぞだ(笑)
「楽しくないのに、楽しいって言うとか?」
「あ~、そんな感じなんですけど、僕、多分顔に出ちゃうので、それも無しです。
ぼーっとしてただけなのに、考え事してた。みたいなしょーもない嘘ですよ。」
「そうなんだ(笑)」
「と、言うことで、彼女はいませんし、結婚 もしてませんし、嘘もあんまりつきません。」
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