第1章

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時折興奮気味の声が隣から聞こえてる。 なにやら男の人何人かでトモヤって人の恋愛事情に口出ししてるようだが、外野が恋愛話に介入って… 放っといてやればいいのに… 責められてる人の声は全くしない。 「お前らが言うことじゃないだろ」 と、若干キレ気味で誰かが制した。 うっかりポテトを頬張る口許が綻んでしまった。 なんだか、若いっていいなぁなんて思ってしまった(笑) 男の人の純粋な恋愛話なんて社会人になって、聞いたことがない。 大人の駆け引き的な、屈折した話題ばかりで…純粋とは言い難いラブゲーム? 夜の人工的な灯りの元で囁かれる添加物にまみれた恋じゃなくて、太陽の下で「好きだー」っとかって、叫ぶ天然の 恋に憧れる今日この頃(笑) なんて、真っ昼間から妄想?(笑) 若干23歳。高卒で就職なんかしないで進学してたらそんな恋愛してたのかなぁ…なんて思ってしまう。 「お先に失礼します。」 不意に隣から聞こえてきた声… まさかと思いつつ店の出入口に視線が行く。 高い壁からひょこっと顔出す…見慣れた顔。 やっぱり…智哉くんだ。 と言うことは…さっきの恋愛話の当事者で責められてたトモヤってやっぱり智哉くん? てことは、智哉くん、彼女いるんじゃん…。
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