第2章

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太陽の下で「好きだー」って叫ぶ為にってわけじゃなく、気分転換に平日の休みに、愛機に股がり、何度も来たことのある海沿いの道の駅に来た。 天気は上々で4月の下旬だけど日差しが暑いくらいの浜辺。 やっぱり気持ちいいー♪ 前に、碧や智哉くんたちとのツーリングの時に立ち寄った所でもあるけど、あの時は時間なくて、浜辺まで踏み入れられなかった。 結構、整備もされててオシャレな感じで、好きなんだよね~ 平日だけど、家族連れとかいて、いい感じに賑わっていた。 いつの頃からか、お一人様も慣れたもので、ファミリーやカップルの中、1人でいても全く平気。 木製のスロープから浜辺に向かって下りていく階段に腰を下ろして、波の音に耳を傾ける。 波の音は、地球の呼吸のようで、ホントに落ち着く。 そのまま、寝転がって目を閉じる。 目を閉じてても空の眩しさが感じられる。 あ…、日焼けしちゃう… まだ4月だからって、油断してた…なんて考えながらも、まだ起き上がりたくなくて、うーんと伸びをした。 目を閉じてると、なんだかうとうとしてきたとき、不意に瞼の裏が暗くなった。 と、思ったら、腕に冷たい何かが触ってびっくりして飛び起きたら、おでこに凄い衝撃を感じて、何かにぶつかったことに気が付いた。 ていうか、超痛い… おでこを両手で、押さえながら近くで座り込む人影を捉えた。 「超痛ぇ…」 と、口元を片手で、押さえながら、もう片方の手でペットボトルのお茶を差し出したのは、智哉くんだった。 「え?智哉くん?」 「こんにちはー」 「こ…こんにちは…」 「1人ですか?」 「うん。智哉くんは?」 「僕も1人です。駐車場でバイク見かけたんで、居るかなと思って(笑)」 と、口元から手を離すと、顎に赤い液体… 「え?智哉くん。血?」 と、口元を指差すと、智哉くんはさっきまで口元に当ててた手の平を見て、ブッっと吹き出した。 「マジで…血出てるし…痛いと思った(笑)」 「大丈夫?」 ポケットティッシュをジャケットのポケットから出して数枚引き抜いて渡すと、智哉くんはソレを拭った。
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