0人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ
すでにとらきちくんは仲間になり、エンディングの曲が流れていた。
「ねぇ、おとーさん。くまじろうおわっちゃった」
銀河が父の洋服の裾を引っ張る。
「あぁ、そうだな。大丈夫また明日やるから。それより銀河。お父さんの話をよーく聞いて」
銀河の向き合うように座り直した父。
「なぁに?」
銀河は父の顔をじっと見つめる。
「お父さんが良いって言うまで絶対にお外に出ちゃダメだぞ?幼稚園に行けなくなるけどまたすぐ行けるようになるから。絶対にお外に出ちゃダメだからな」
どうして?なんで?そんな疑問が浮かんだが父の真剣な顔を見て銀河はコクンを頷いた。
父は仕事があるからと、数日後には家を出て行ってしまった。
残された母と産まれたばかりの妹、夜空と一緒に父の言いつけを守り続けていた。
銀河が高校生になっても父は仕事から戻らず、いつしか地球は宇宙からくる有害な物質に汚染され、太陽も活動を停止し、まともに出歩けるような場所は限られていた。
最初のコメントを投稿しよう!