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「……さん!おとーさん!」
俺がまだ小さかった頃、父親と一緒に街頭にある大型のテレビを見ていた。
「あっ、銀河。どーした?」
ずっとテレビを見ていた父がようやく反応した。
「ねぇ、あの人はだれ?」
銀河がテレビに小さな指を向ける。
「宇宙の警備隊の人だって」
テレビを見ながら銀河に教える父
「うちゅー!おとーさんとおんなじ!」
銀河の父は宇宙で働く研究員の1人だ。
「ねぇねぇ!知ってる人?」
銀河が無邪気に聞いてくる。
「お父さんには分からないなぁ」
朗らかな笑顔を銀河に向ける。
「なぁんだ。つまんないなぁ」
ふて腐れる銀河を抱きかかえ歩き出す父。
「おうち、かえるの?」
「そうだよ、お母さんが待ってるから早く帰ろう」
遠ざかる銀色の髪の女の子を銀河は見えなくなるまでずっと見ていた。
また、会えるかな?そんな風な気持ちで父親と家路についた。
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