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「えー、地球の皆様、と言ってもえーっとどこだっけ?放送エリア」
ツインテールの女の子が手元の紙をパラパラとめくる。
「日本だよ」
肩にかかるくらいの髪の毛の男の子が教える。
「あー、そうそう。日本だった。日本の皆様、映像、音声は大丈夫でしょうか?大丈夫ですね。では続けます。本日は宇宙への移住について説明があります」
一息ついてツインテールの女の子が続ける
「えー、宇宙の移住に関しまして条件があります。まず1つ目、日本にいる皆様は大人、子ども関わらず1人10万ギリアム、えーっと日本円にして約10万円が必要となります」
紙をめくりさらに続ける。
「2つ目は、もし10万円が払えない人はこちらから審査の上ご融資致しますので事務局まで起こし下さい。事務局は各地に設置してあります。おそらく直ぐに分かるはずです」
さらに続ける。
「お金もなく、融資も受けられない人は最終手段として誰かを殺してください」
ツインテールの女の子がニッコリと微笑む。
「まぁ、大体の人間がこの手段をとることになるかと思います。殺した人の肉体を事務局まで持ってくれば換金しますので。こちらの事情で詳しくは言えませんがね」
小さかった銀河には何を話しているかなんて理解出来なかったが父がなにやら様子がおかしいということだけは分かった。
「ちなみに、宇宙関係者の方、すでに移住権を持っている方はこの放送が終わりましたら絶対に外には出ないで下さい。死にますから。では期限は無いので皆様宇宙への移住に向けて各々手続きを開始して下さい」
ブチッと音とともに画面が消え、再びくまじろうのアニメに戻った。
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