夢想する男女

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「……え? 僕が魔物?」 「はい。私を付け狙い、世界を征し、魔王になるつもりなのでは……?」 「なにその三段論法!? てか、中島さん、話せたんだね」 「む。平山くんこそ何を言っているのですか。あたりまえじゃないですか」 「……そっかぁ」 「なんで残念そうなのですか」 「いやいや、なんでもないよ。あ、そうだ中島さん」 「はい?」 「メアド教えてよ。LINEでもいいけどさ」 「まあ、さっきのお詫びがそれでよいのであれば……」 「ありがと!」  夢想する男女は微笑んだ。  ふたりの行く末は誰も知らない。  それを夢想するのも、よいかもしれない。   〈了〉
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