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「ごめんなさい…間違えました」
顔が一瞬で赤くなってそそくさと逃げようとした、その瞬間
「待って、間違えてないよ。ちゃんと社長から話聞いてるし」
「…ママからですか?」
キャリーケースに両手を添えながら振り向く。
頷いてほしくないと心の中で呟いた瞬間、目の前の人は普通に頷いた。
「鳴瀬、響…子さん?」
手書きのメモの名前を恐る恐る読み上げると男の人は首を傾げた。
「子は余計だね。鳴瀬響(なるせきょう)」
「…マ」
ママ。子は付かないんだそうです。美人さん以前にどうして…おと、男の人が。
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