鳴瀬さんは家事が苦手

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微かに震える指先で鳴瀬さんの感情が汲み取れたように感じた。 「自分がなんなのか分からない…どうしてヒナちゃんに触れられるのか分からない」 混乱してる。けれども安心しているようにも見えて、ずっと鳴瀬さんの指先に触れられていた。 私の心臓がいつも以上に鳴り響いていても構わず鳴瀬さんの傍にいました。 「ヒナちゃん、いい匂いがする」 「オムライス作ったんですよ。食べますか?」 「うん。ピーマン入ってない?」 「入ってないですよ(本当はみじん切りして入れてます)」 「そっか…食べる」 「はい。じゃあキッチン行きましょう」 「ケチャップで僕の顔描いてくれる?」 「あ…美術2なんです」 「そっか。じゃあ尚更描いて」 「…頑張ります」 初めて見た鳴瀬さんの涙は、私の心臓をも揺れ動かした。
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