何でもないような

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この溜まった鬱憤を誰かに吐き出したくてたまらない。どこかにいないだろうか。遠慮のいらない人間が。せめて恋人でもいたら良かった。 黙々と本棚を整理する。 教科書に触れることが嫌になり、漫画本の方から先に整理することにした。 「ん?」 奥に何かある。ノートだ。値段のシールが貼られたままの、まだ使われていないようだ。覚えていないがたぶん、日記を書こうとして気まぐれで購入したのだろう。 捲ってみると、3日坊主どころか一文字も記入されていない真っ白なノートだった。
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