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『こんにちは。あなたの名前を教えてください』
狂気じみたことをしていると自覚している。馬鹿げた行動だと思う。
けどこの普遍な日常に物語みたいな素敵な出来事が起こってもいいのではないのだろうか。
私だって女だ。ロマンチックを夢見ることもあるのだ。期待に胸を膨らませ、私は待った。
物語はやってきた。
変化があったのだ。ノートにうっすらと文字が浮かび上がり、やがてそれは文章になった。
私は目前の現象に言葉を失い、両手で口を覆った。
恐怖より感動に近かった。非科学的な場面に今自分が立ち会っていることが誇らしかった。
「嘘みたい……!」
返事はこう書かれていた。
『俺の名前は涼平。あんたは?』
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