何でもないような

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得体の知れない相手はどうやら男性らしい。 今度は私の名前を尋ねてきた。心臓をバクバクさせながら私は汗ばんだ手で鉛筆を握る。 『私の名前は結子。あなたは何者なの? これ、このしくみはどうなっているの?』 『俺にもわからない。魔法としかいいようがない』 魔法。不可能なことを実現する力。 これが例えば手品だとしても種明かしは無理だろう。そんな神秘的な出来事が私の元で起こるなんて、夢みたいだ。凄い。 そしてどうしても確かめたいことがあった。
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