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考えてみれば、彼は成績が悪いし鈍感だし、良い所なんて数えるくらいしかない。そうだ、恋なんかに落ちなくて良かった。独りで勝手に盛り上がって、最後にはこうして合理化してしまった。
でも彼は優しかった。
だから私は泣いたのだろう。引っ込み思案な自分に嫌気がさしたのはその時からだ。
『運命の人は必ずいるものだ。俺は信じてる』
涼平君はそう書いた。
『じゃあ、この出会いも1つの運命と数えてもいいの?』
つい意地悪をしてこんな質問をしてみた。
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