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大好きなお姉さんがいた。
近所に住んでいる4つ離れた人。まるで実の姉のようだった。幼い私とよく遊んでくれた。
1人っ子で、両親も忙しくて中々相手にされなかった。お姉さんのおかげで、独りぼっちの苦しみを幼少期に味わうことはなかった。
美人で優しい、私にとって憧れだった。いつか私もこうなりたいと夢見た。
だけどその人はある日突然消えてしまった。重い病気だったらしい。20歳を迎える前にこの世を去った。
氷の槍で心臓を貫かれたような感覚を覚えたのはその時が初めてだった。その頃私はまだ5歳。死んだ彼女はどこに行ってしまったのか。
ある人は、彼女は天国に行ったと言い
またある人は、彼女は土に還ったのだと言った。
納得のできない私は学校をさぼったり、真夜中にこっそり家を抜け出しては彼女を捜し回った。
思い出の公園にも、神社にも、花畑にも、散歩道にも、どこにもいない。
唯一捜していない場所があった。でも簡単には行けない。
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