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 チャンスが訪れたのは中学の修学旅行の際だった。  飛行機の窓から外を眺めた。旅館で美味しい物を食べるよりも、友達と語り合うことよりも楽しみにしていた。お姉さんに会えると信じていたからだ。  この世だとかあの世だとかはよくわからない。彼女がどこに行ってしまったのか、ただそれだけを知れば満足だった。  目前に広がるのは手で触れられそうな白い雲と青だけ。  結論をいうと、やはり彼女は空の上にもいなかったのだ。  頭の中にある記憶が嘘みたいに思う。目を閉じれば蘇るあの笑顔もあの声も、全てが幻なのかと疑う。 ただ、空はどこまでも広くて、果てのない光で満ちていて、涙が溢れた。  彼女と繋いだ手の柔らかさや温かさは今になっても手のひらが覚えている。  亡くなった人は皆、どこに行ってしまったのだろう。  死を考えたのは一体誰なのだろう。  今度は涼平君を探しに行かなくてはいけない。 どうしても伝えなくちゃいけない言葉がある。
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