何でもないような

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「きつい……」 母は仕事を終えたらすぐ戻ると言っていたが中々帰ってこない。 独りでいる間何をしていよう。もう寝ているのも飽きた。熱もだいぶ下がったし、体力が有り余っている。 あまりに静か過ぎる。まるで世界に自分しかいないような錯覚を覚えた。病気になると心まで弱ってしまう。 とにかくこの気を紛らわすために、私は本棚の整理をすることにした。 漫画や雑誌があるも、本棚をほぼ埋め尽くしているのは教科書。中にはまだ1度も開いていない新品のものもあった。 3年という間にこれを全部読み切れる自信はない。というより、3年後の未来像が描けない。自分がどうなっているのかすら見当もつかないのだ。
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