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冒頭に書いたように僕はある日久しく笑った母と手を繋いで仲良く森を散歩した。
お昼には久しぶりの母が作ったお弁当も食べて葉っぱやお花を集めた。
時折見せる母の笑顔に僕は昔に戻ったようで嬉しかった。
「母様!僕、しょうらいは母様のおむこになります!」
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日が沈み始めるとまた手を繋いで来た道と逆の方向に戻った。
「母様…おうちはあっちだよ…?」
母はにこりとしかしなかった。
悲しかった。
何故か悲しかった。
でも、どこかで嬉しかった。
僕は潤む瞳を誤魔化すように目一杯笑った。
母と繋いでいた手をブンブンと左右に振って歌も歌った。
一通り歩くと花畑が見えてきた。
月光に照らされた名前も知らない花は神秘的で僕がみたなかで一番キレイだった。
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