第1章 異端ハイスクール

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そんな波乱の自己紹介タイムが終わり一息つける休み時間になった。普通的に考えると自己紹介というものは一人頭持ち時間は1分ぐらいが相場だろう。 しかし、俺のクラスの相場は大高騰。一人5分ぐらい話してました。 絵本の読み聞かせかよ。 でも、一人だけ自己紹介してなかったがそれは置いておこう。 「君、ちょっといいか」 教室でぼんやりしてたら不意に話しかけられる。俺はそいつに視線を向けると―浅海井……だったかな? 拳銃をぶっ放した奴が立っていた。 「浅海井……であってるよな? どうした?」 「諸布、自分は君と仲良くしたい。 友達になってくれないか」 「……えっ? 俺と?どうして俺なんだ?」 「自分は普通になりたいんだ。見たところ君が一番普通の人間だ。もし良ければ普通とはなんたるかを教えて欲しい」 お前は普通にはなれねーよ、と銃で風穴を空けられないくらいに俺が超人的な肉体だったら臆せず言えるがそんな都合のいい設定はないので。 「あ、ああ、俺で良ければよろしくな浅海井。」 苦笑いしながら許可する俺。 「ありがとう、では友情の印といってはなんだが……これをプレゼントしよう」 ―ガタッ 机の上に重い振動が響く。置かれたのは6連発式のリボルバー。銀色の光沢が眩しい。 「ちょっと待て、友情の印にロシアンルーレットでもしようとか言うんじゃないだろうな?」 「大丈夫だ、それは護身用だ。 弾も装填してある。」 「いらねーよ! つーか普通になりたいんじゃねぇのかよっ!」 もちろん受け取らなかったし、ロシアンルーレットもしなかった。 でも、クラスの中で「諸布の奴浅海井から銃を買収してやがったぜ、怒らせない方がいいかもな」とか呟いてた奴らがいた。 そんなんじゃねーよ。
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