第1章 異端ハイスクール

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『じゃあ、もう一人いるから呼んでくるわ』  そうスケッチブックに書き、浅海井を呼びに行く。 「グループは決まったのか?」 まだだけど俺の席に座って、のんびりしないでくれ。 一緒に探せよ、オイ。 「一人決まったから挨拶しに行くぞ」  親指を立てて、肩先から後ろを指す。 「なるほど、挨拶がてら交戦か。 人数は? 武装は?」 「人数は一人で、すでに無力化状態ですよっ! 持ち物はスケッチブックのみです浅海井大尉!」  ヤケクソ気味に悪ノリする。 「……ふむ、スケッチブックの中に小型ナイフを隠しているかもしれん。 これは用心だな。」 「いいから早く来いやっ!」  腕を掴んで、強引に連れて行く。 「ま、待て、まだ安全装置を外してない!」  お前は教室内で何をぶっ放すつもりだよっ!  半ば強引に幸崎のもとに連れて行き、ちょっと驚いた様子の幸崎。 スケッチブックには『!?』と書かれている。 見りゃわかるからそこまで書かんでいい。 『こいつがグループの一人の浅海井だ。』 「何故文通?盗聴器でも仕掛けられているのか?」 「色々事情があるんだろうよ」 『浅海井くんだね、よろしくね。』 「ほら、よろしくだとよ。 お前も書けよ」 『同じグループの浅海井だよ~ん。 よろしくぴょん☆』 「なんだよこの文面! 文面とリアルで性格違い過ぎるだろ! ……ほら見ろっ! 幸崎止まってるじゃねぇか!」 「好感を持つには砕けた文面の方がいいと聞いた。」 「砕けすぎてんよ!」 『こ、個性的な喋り方だね……』  実際、こんな喋り方じゃないからなっ! 『柘敬たん柘敬たん、あと一人は見つかったのかお?』 もうそれ止めてくれ。 あと俺には話しかけるだけでいいだろ? 「ちょっと先生に三人でいいか聞いてくるよ」
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