第1章 異端ハイスクール

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―入学二日目 教材を詰め込み、重いカバンを持って登校する。 「諸布、今日は遠足だな。 市街戦の準備は出来てるか?」 はーい? 今なんつった? 「え、えっ?、今日遠足?」 「そうだ、今日は歓迎遠足ということでビーチの近くの公園に行くらしい。 連絡網がこなかったか?」 「全然、記憶にございません」 色々ツッコミたいことがある。入学二日目になんで遠足なんだよとか、市街戦ってなんだよ気をつけるのは紫外線だろ?とか、まだ春先で肌寒いのにビーチかよっ!とか言いたいが…… 「連絡網まわってきてないんだけど!」 「順番は確か、自分→幸崎→諸布だったな」 今更だけど、連絡網の発信源はキツいよな。 10回も電話するんだからよ。 つーか終礼で言えよ。 「……ちょっと幸崎のトコ行ってくる」 俺は幸崎の机に向かう。 幸崎も俺が向かってくることに気づいたのか、カバンの中から大量のお菓子を出して机の上に置いて……シャーペンに白いハンカチをくくりつける。 そして、何か書いたと思ったらプルプル震えながら俯いてシャーペンを振る。 『ごめんなさい、ごめんなさい、これで勘弁してくださいお願いします』 ……なんか、俺がいじめてるみたいだった。 『まぁ、仕方ないよな……、メルアド教えるから次からはメールしてよ』 たぶん、電話じゃ喋れなかったのだろう。 まぁ、たかが遠足で良かったよ。 もし台風とかだったら俺吹き飛ばされかけながらも休みの学校に登校しなければならないからな。 いや、休んでると思うけど。 『お弁当いっぱい作ってきたし私の分まで食い散らかしていいから許して下さい。 お菓子もいっぱいあります』 『許すし、普通に食うからっ!』
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