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第4話
鷲見社長の自宅に招待された次の日の朝、出社した僕はいきなり土師さんから、名指しでスパイだと告げられた。
岡野(どこをどうしたら、そんな話になるんだよ!)
目を見開き、土師さんの顔を、まじまじと見つめる。
土師「こんなおとなしい顔をして、たいしたもんだな」
岡野「待ってください。僕には、なんの話だか、さっぱり」
ようやく声を絞り出し、とにかく首を振った。
そこへ岸さんが、やってくる。
岸「土師、やめろ。まだ、決まったわけじゃない」
岡野「岸さん、どういうことなんですか?」
(心臓が、ばくばくしてる……まさか、岸さんも、そう思ってるの?)
岸「流出したデータの資料、鷲見社長との打ち合わせで使われているものらしいんだ」
岡野「あ……っ」
(確かに、3Dプリンターのことも提案に使ったけど、それって鷲見社長がもらさない限り、流出しないんじゃ……あっ!)
僕が伏せていた目をあげると、岸さんが頷く。
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