第5話

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なんだかそわそわして落ち着かないまま、そろそろお昼の時間を迎えようとしていた。 相変わらず、オフィス内の空気は重い。 土師「岡野」 岡野「はいっ」 いきなり声をかけられて、びくっとなる。 土師「お前、今日も鷲見社長との打ち合わせに行く気か?」 岡野「え、ええ。仕事ですから……」 (そうだ。今日も午後からは、予定が入ってるんだけど……) 土師「それ、止めておいた方がいいんじゃないか?な、葛原だって、そう思うだろ?」 葛原「俺には関係ない」 いきなり、話をふられた葛原さんは、気のない返事だ。 土師「けど、倫理的にどうなのかな?疑われている人と仕事ってさ」 岡野(そんな……じゃあ、もう鷲見社長と仕事ができなくなるってこと?それは、嫌だ) ハッキリした拒否の気持ちに自分も驚く。 喜多嶋「土師」 社長室から出てきた喜多嶋社長が、鋭い声を飛ばす。 岡野「しゃ、社長!!」 さすがの土師さんも、緊張したように背筋を伸ばした。 岸「お前が決めることじゃない」 一緒に社長室から出てきた岸さんが、たしなめるように言う。 それに、喜多嶋社長も頷いた。 土師「すみません。でも、心配で……」 岸「よけいなことだ。そんなことより、昨日頼んだ仕事はできてるのか?」 土師「いえ、あと少しです」 岸「じゃあ、噂話をするよりも、仕上げるのを先にしろ。お前の、もうすぐは3日かかる」 土師「すぐにっ」 土師さんがぴゅっとデスクに戻って、身を低くする。
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