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いろんな想いを抱えながらラクルのオフィスを出て、鷲見社長のところにやってくる。
そこで、僕は新しい提案を、一生懸命にした。
岡野「……というわけで、新しくイベントに組み込んでみました」
鷲見「なるほど。早速、橋の夜景をヒントにしたわけだ」
岡野「はい……。まだ、思いつき段階ですけど、ここから広げていけたら……」
鷲見「そうだな。悪くない」
岡野「っ!」
ほめられれば、胸が弾む。
鷲見「が、まだ詰めが甘いな」
岡野「そ、そうですね。僕も、その点は悩んでいて……」
鷲見「社内で意見を求めてないのか?」
岡野「あ……」
(そうだよね。自分ひとりじゃなくて、会社で受けているんだから、社内の意見も聞いた方が……でも、この状況だと……)
僕が押し黙ると、鷲見社長がフッとニヒルな笑みをこぼした。
彫りの深い顔立ちには、事情を忘れて、今日も見とれそうだ。
鷲見「聞ける状況じゃないってわけだ。ここに来ることも止められたんじゃないのか?」
岡野「いえ、それは、喜多嶋社長が大丈夫だって……」
鷲見「……そうか……」
岡野(え!今、ほっとしたように見えたような……それとも、僕が、そうであってほしいって思ってるから、そう見えるのかな?)
胸がドキドキする。
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