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鷲見「こんなに怪しい男なのにな、物好きなやつだな」
岡野「それを言うなら、鷲見社長だって、疑われていた僕をかばってくれました」
鷲見「まあな。ヒロが、そんなことをするやつじゃないのは、一番そばで仕事してる、俺ならわかる」
岡野「僕もです。だから、おあいこなんです」
鷲見「おあいこ?ふっ、ヒロらしい言い方だ。確かに、そうだな」
ネクタイから手を離されて、ぽんっと頭を撫でられた。
岡野(てのひらが……熱い……)
今まで以上に触れられることに敏感になってる気がする。
鷲見「ヒロ」
岡野「はい」
鷲見「これからも、何があっても、俺を信じろ」
岡野「っ!!」
しばらく、じっと鷲見社長の瞳を見て、様子を伺う。
鷲見「信じられないか?」
岡野「隠していることがあるんじゃないんですか?」
鷲見「っ」
そういうと、一度まばたきをされた。
鷲見「……そうだな。全部、話してるわけじゃない……」
岡野(それは、正直に言ってくれるんだ……ということは、これって隠し事があっても、正直って言うんじゃ……)
鷲見「この状況で、信じろって言っても無駄か……」
落胆した声の響きに首を振る。
岡野「いいえ。隠し事があるってことを隠さなかったから、いいです。信じます」
鷲見「ヒロ」
驚いたように目を見開かれた。
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