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第6話
鷲見社長のオフィスで、僕は鷲見社長にいきなりネクタイをつかまれて引き寄せられた。
そして、顔をぐいっとアップになる。
岡野「っ!!」
(顔が、近いっ!!)
いつもと同じ、澄んだ灰色の瞳に、僕の驚いた顔が映っている。
岡野「鷲見社長?」
かすかに声が震えた。
鷲見「ヒロ……」
少し掠れた声に艶があるような気がして、ドキドキする。
目元にあふれる男らしい色気にも、力が抜けていきそうだ。
岡野(なんで?まるで、キスされるみたいで……)
鷲見「俺を信じてくれたんだな。礼を言う」
低い声で、耳元近くにささやかれた。
岡野「っ!!」
(うわっ、今、肌が粟立ったっ)
それが嫌だからじゃないって、わかってる。
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