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第7話
夜のオフィスにひとり残っているとき、岸さんのデスクにある資料に思わず手を伸ばそうとしたところで、不意に背後から声をかけられた。
岸「なにか調べ物でもしてたのか?」
ツカツカと背後に近づいてくる靴音で、ゆっくりと振り返った。
鼻すじがすっきりと通った端正な顔が怖いくらいに強張っている。
いつもなら、静謐でストイックな印象なのに、今日はそのせいで凍てつくように怖い……。
岡野「あ、あの……わからないことがあって……」
岸「それで、私のデスクに来れば、わかりそうだったのか?」
切れ長な目が光った。
岡野「……それは……」
大きく息を飲む。
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