第9話

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岡野(この人、警察の人だったんだ……) 田村「というわけです。岡野さんがいない方が警備がやりやすいようので……」 岡野「いやです」 田村「と言われましても、あなたは社長にとって家族でもなんでもありませんので……」 岡野「それは……」 (そうなんだけど……どうしても、離れたくないっ!!) 「鷲見社長のそばから離れたくありません。お願いです、看病させてください!」 僕は田村さんに頼みこんだ。 田村「し、しかし、場合が場合ですので。それに、鷲見社長の意見が聞けない今は……っ!」 田村さんが言葉の途中で、目を大きく見開いて沈黙してしまう。 その視線が僕の後ろに注がれていることに、一拍遅れて気付いた。 田村「鷲見社長!目を覚まされたのですね!よかった……」 鷲見「田村、ヒロを追いだすことは許さない」 岡野「あっ……」 田村「わかりました」 さっと背筋を伸ばして、田村さんがお辞儀をする。 鷲見「ヒロ」 僕は呼びかけに応えて、ゆっくりと振り向いた。 さっきまで眠っていたはずの男が、ベッドの上で上体を起こしている。 岡野「鷲見社長……!」
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