第8話

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土師さんは僕を地下街へと連れてきた。 まだ朝早い時間なので、人通りはほとんどない。 岡野(ここって、今日パーティがあるホテルの近くだよね) 「証拠って、いったい……」 土師「来ればわかる。というか、お前に確かめてもらって警察に届けようと思ってさ」 岡野「僕に?」 と言った刹那、僕はどんっと背中を突き飛ばされた。 岡野「うわっ!!」 路地に連れ込まれたと思った途端、掃除用具を入れるような倉庫に閉じ込められた。 状況がつかめずに混乱した僕はまたたく間に縛りあげられ、猿ぐつわをかまされ、声も出せなくなる。 抵抗をこころみても、全然相手が堪えた様子はない。 土師さんだけじゃなくて、もうひとり誰かがいる。 岡野「うー、ううーっ!!」 転がされたまま、床をのたうつだけ……。 その間に扉を、ぴっちりと閉められる。 土師「まんまと罠にはまったな。お前をえさに鷲見社長を脅してやるよ。引き換えに情報を引き出してやる」 扉の向こうで土師さんが意地悪な声で語りかけた。 土師「見張りがいるから、逃げ出せないぞ」 岡野(さっきのもうひとりが見張りなんだ。……どうしよう!鷲見社長が僕のためにつかまったりしたら……) 「うーっ!うー!!」 声を出そうにも、ほとんどくぐもった音にしかならない。 これじゃあ、とても助けは来てくれないだろう。
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