第9話

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鷲見「愛してる。だから、もっとヒロが欲しくなるんだ」 耳殻に吹きこまれるようにささやかれる。 ふらちな手は、太もものあたりを撫でていた。 岡野(男のそんなところを触っても、面白くないだろうに……) 鷲見「いい触り心地だ……それに敏感なのもいい」 岡野「……っ」 あられもない言葉に、いたたまれない……。 涙でかすんだ目をまたたかせながら、余裕の男の笑みを見上げる。 岡野「嬉しいんですか?」 鷲見「あたりまえだ。俺の手に感じるヒロを見たいんだからな」 岡野「あ……っ」 くすぐったい部分に触れられながら、頭の芯が熱を持っていった。 岡野「ダメです」 鷲見「わかっている。途中で止める」 岡野(それも困るような……もう、どうして、こんなになるんだろう……?男相手なのに、全然関係ない……っ) ゆっくりと体に火がついて焦がれていくよう……。 もうすぐ歯止めが効かなくなりそうで怖い。 いいようのない飢餓感は、今まで感じたことのないもの……。 鷲見「愛してる」 岡野「んふっ」 すべてを奪っていくキスと愛撫に耽溺しながら、僕は生きている熱い体を精いっぱいに受け止めていったーー。
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