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鷲見「愛してる。だから、もっとヒロが欲しくなるんだ」
耳殻に吹きこまれるようにささやかれる。
ふらちな手は、太もものあたりを撫でていた。
岡野(男のそんなところを触っても、面白くないだろうに……)
鷲見「いい触り心地だ……それに敏感なのもいい」
岡野「……っ」
あられもない言葉に、いたたまれない……。
涙でかすんだ目をまたたかせながら、余裕の男の笑みを見上げる。
岡野「嬉しいんですか?」
鷲見「あたりまえだ。俺の手に感じるヒロを見たいんだからな」
岡野「あ……っ」
くすぐったい部分に触れられながら、頭の芯が熱を持っていった。
岡野「ダメです」
鷲見「わかっている。途中で止める」
岡野(それも困るような……もう、どうして、こんなになるんだろう……?男相手なのに、全然関係ない……っ)
ゆっくりと体に火がついて焦がれていくよう……。
もうすぐ歯止めが効かなくなりそうで怖い。
いいようのない飢餓感は、今まで感じたことのないもの……。
鷲見「愛してる」
岡野「んふっ」
すべてを奪っていくキスと愛撫に耽溺しながら、僕は生きている熱い体を精いっぱいに受け止めていったーー。
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