第8話

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鷲見社長が必死に僕を抱き寄せるのと同時に、銃声が響き渡る。 岡野「っ!!」 衝撃が鷲見社長の体を伝わって感じられた。 ここまでコンマ数秒。 岡野(そんな……鷲見社長が……撃たれた!?) 鷲見「大丈夫だ。急所は外れてる。背中をかすめただけだ」 岡野「でも、血がっ」 鷲見「それよりも、銃撃犯を」 喜多嶋「今、田村が押さえこんだところだ」 喜多嶋社長の言葉に、鷲見社長がほっとした顔をする。 鷲見「油断したが……ヒロが無事でよかった」 岡野「とにかく手当を」 鷲見「それじゃあ、シャツを裂いて、止血をしてくれ」 岡野「わかりました」 鷲見「それで縛るまでは、傷口は圧迫法で塞いでくれ」 岡野「圧迫法って……」 (たぶん、自衛隊時代に覚えたんだ……でも、僕はわからない……) 鷲見「落ち着け。手のひらで傷口を押さえるんだ」 岡野「はい」 僕は片手で傷口を押さえながら、もう一方の手で脱いだ自分のシャツを力いっぱい裂く。 それで、鷲見社長の傷口をきつく縛った。 鷲見「よし、後は救急車を待てばいい……」 岡野「はい」 (あ……) 瞬間、ふらっと視界がゆがんだ。
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