第8話

1/10
120人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ

第8話

僕は朝の街中を、ふらふらとした足取りで自分のアパートに向かって歩いている。 岡野(うまく、頭が働かない。酸欠になったみたいで……でも、鷲見社長が、やっぱり何かしてるってこと?そんなこと、信じたくないっ) と、目の前から土師さんが歩いてくるのが目に入った。 土師「岡野?お前、会社と反対に向かってるぞ」 岡野「土師さん。今日は早いですね」 土師「やりかけの仕事があるからな。それよりも、お前、顔が真っ青だって」 岡野「ちょっと……」 僕は誰とも話したくなかったので、そのまま通り過ぎようとした。 土師「岡野、今回の事件のこと探ってるんだろ?」 岡野「っ!」 土師「じゃあ、俺も協力してやるよ。っていうか、すごい証拠をつかんだんだ」 岡野「本当ですか?やっぱり、鷲見社長を疑って?」 土師「いや、鷲見社長のせいにして、実は田村さんがあやしいんだ」 岡野「えっ!」 (じゃあ、田村さんは鷲見社長の意に反して?) 土師「その証拠をつかんだ。ちょっと付き合えよ」 岡野「……わかりました……」 思わず息をのむ。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!