33人が本棚に入れています
本棚に追加
「ええ。あの萬能丹を祭承様より、私と李門という男で、半分ずつ受け継ぎました。私も五十三粒の萬能丹を持っております。そして李門という男は、同じ様に受け継いだ萬能丹を始皇帝に献上した筈です。ですから、私が持っている以外の萬能丹は、今は秦が持っているという事になります」
老人はニコニコしながら魏粛を見ていた。
「半分は歴史の表舞台に出て行ったか…」
老人はそう言うと立ち上がった。
「もう少しで、秦は滅ぶ。その時に一緒に、その萬能丹は滅ぶのかもしれんな…。惜しいのう」
老人はゆっくりと歩き出した。
「まあ、それも運命じゃて…」
魏粛も立ち上がり、老人の後をついて歩いた。
最初のコメントを投稿しよう!