第四章 項羽と劉邦

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「ええ。あの萬能丹を祭承様より、私と李門という男で、半分ずつ受け継ぎました。私も五十三粒の萬能丹を持っております。そして李門という男は、同じ様に受け継いだ萬能丹を始皇帝に献上した筈です。ですから、私が持っている以外の萬能丹は、今は秦が持っているという事になります」 老人はニコニコしながら魏粛を見ていた。 「半分は歴史の表舞台に出て行ったか…」 老人はそう言うと立ち上がった。 「もう少しで、秦は滅ぶ。その時に一緒に、その萬能丹は滅ぶのかもしれんな…。惜しいのう」 老人はゆっくりと歩き出した。 「まあ、それも運命じゃて…」 魏粛も立ち上がり、老人の後をついて歩いた。
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