第四章 項羽と劉邦

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劉邦は腕を組んで、朝の穏やかな覇水を眺めていた。 劉邦は朝早くに覇水を眺める事が日課の様になっていた。 今日は劉邦の後ろに蕭何と曹参が立っていた。 「蕭何…、曹無傷の処刑の準備は出来たか」 「はい。準備は整っております」 蕭何はそう答え、曹参の方を見た。 曹参は下を向いたまま黙っていた。 「曹参」 劉邦は振り向き、今度は曹参を呼んだ。 「はい」 曹参も顔を上げて劉邦を見た。 「曹無傷の最後の話を聞いてやれ…。奴の家族は咎めない事にする。そして、今後もこの劉邦が面倒を見る」 「劉将軍…。曹無傷の特別扱いはやめて下さい」 曹参は前に出る様にしてそう言った。 「確かに曹無傷は私と同族です。しかし、私と同族であると言う事で特別扱いなどされますと、この軍の軍律は守られません」 「曹参。劉将軍には劉将軍のお考えがあっての事だ…」 蕭何は曹参を見てそう言った。
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