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「そうじゃの…。見るところお前はこの辺りが悪い様だ」
「そうじゃの、その辺りが悪かろう…」
赤い羽織を着た老人は六承の腹の辺りを杖で指した。
その後に続いて青い羽織を着た老人も同じ様にした。
「そして、もってあと二週間と言ったところじゃろ」
「そうじゃな、二週間じゃな」
「二週間…。私はそんなに悪いのですか」
六承は自分の腹を押さえた。
「ああ、悪いの」
「うん。悪い」
「だがの、それを飲めば治る」
「そうじゃ、治る」
六承は手にした薬の入った革袋をじっと見つめた。
「これを飲めば治る。そして生きられる…」
「その袋には百八粒の萬能丹が入っておる。それを全部お前にやる」
「くれてやるぞ」
二人の老人は六承の前に胡坐をかいた。
「あーそうじゃ、萬能丹を飲む前に一つ話をしておかんといかんな」
「そうじゃな」
「なんですか…」
六承は座り直し、老人の前に前のめりに這い出した。
「知りたいか」
「知りたいか」
二人の老人は少し神妙な顔になった。
「教えて下さい」
六承も静かに答えた。
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