黄金色が向かう先は

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それにホッと心の中で安堵のため息をつき、ウサコとはぐれないように「失礼」と声をかけてから腰に手を回した。 「では、行きましょうか」 歩道も建物も、コンクリートや鉄筋で出来ており、固いイメージを持たされる。建物は全てと言うわけではないが、高い物が多い為、見上げると首が痛くなる。 (住みやすいのでしょうが…) 人工物で出来た物が周りにあると、どうしても嫌な感じがするのだ。数日滞在するだけなら大丈夫なのだが、長い間滞在するのは苦手だなと感じさせる。 「あっ、あそこに露店がありますよ!」 「美味しい飲み物があればいいですね」 走って行くウサコに、ああこれは迷子になるなと見失いよう気を付けなければと苦笑いをもらし、後を追いかける。 「扇明さん!これとっても美味しそうじゃないですか!?」 南国の雰囲気を感じさせる露店は、見た目は木で出来ているように見えるのだが中身は鉄で出来ていて、まあそうだよなと妙に納得してしまった。 ウサコが指さした飲み物は、果物系統の飲み物。こういう飲み物が好きなのか?と思ったが、いやでもこの前は…と思い出そうとしたが瞳を輝かせるウサコに視線を落として思い出すのは後回し。
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