黄金色が向かう先は

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「そうですね。では、それにしましょうか」 少し待っていて下さい。と言い、ウサコが選んだジュースを一つ頼む。扇明が頼むのと同時に頼んできた少女が視界に入りチラッと横目で見た。 紫色の瞳を輝かせ、二本の角を持った少女。褐色の肌が活発的なイメージを持たせる。露出が多めの服装で、自分とは正反対だなと感じ視線をウサコに戻す。 「今日は劉虎さんはいらっしゃらないのですね」 「今日は一人で旅出てきたんです!扇明さんはどうして来たんですか?」 「特に理由はないですが、一番の理由は暇だったからですね。何も考えてないのでこれからどうしようかと思ってます」 「無計画だったんですね」 紅い瞳を大きくして言われ、意外だったかなと自分ではよく分からないが、そういうのだからそうだろうと思った。 「お待たせしましたー!」 どうやら飲み物が出来たようで「では、ウサコさんが受け取って下さい」と言って場所を代わり、「ありがとうございます」と言って受け取っていた。 隣の少女も受け取っているようで、同時に作っていたのかそれとも一緒に作っていたのかのどっちかだなとその光景を見て思った。 「「ありがとうございます!」」 奥の少女が店員に言った言葉とウサコが扇明に言った言葉が被り、面白いなと笑みをもらす。 買った飲み物は、黄金色に輝いており、向こう側が見えるぐらい透き通っている。これが果実からできているのかと思うと感心してしまう。飾りとして一輪の花が添えられている。 お礼を言って、上機嫌で歩き出したウサコの先に、奥にいた少女が前を見て歩き出していて、言葉よりも先に行動した方が早いと分かっていたのだが、踏み出すのが一歩遅く ――ドンッ 二人はぶつかってしまい、蓋が付けられていななかったのをこの時、誰もが恨んだ。 二人のカップの中から飛び出たジュースは、一人の元へと集まるように向かい――…
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