よろしければ、私と

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「もう一つ、言い忘れていました。私、男ですので、よろしくお願いします」 「えっ!」 (あぁ、やっぱり間違えていらっしゃいましたか) 少し、悲しいような気もしたが、慣れてはいるので、そこまで傷つく事はなかった。 むしろ、この顔だったからこそ、通じた話だったのかもしれないと思うと、感謝しなければいけない。 (サラッと流してしまいましたが、金平糖を握力で砕いたような……?) 「どうかしましたか?」 「いえ。何でもないですよ」 気になったが、目の前に、女性がいるのだ。ほかの事を考えていては、失礼に当たる。 考えるのは、後でもいいかと思い、まずはどんな事を話そうかと考えながら、歩き始めた。 (にしても、この角度はちょっとマズかったな…) 刺激的な物が、目に入ってしまい、雪梅の顔があまり見えない。 あはは、と苦笑をもらしながら、頬をかいた。
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