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私の背中にまわす腕に力が入る。
「もう良いから…瑞穂が無事で良かった。」
耳元で、囁く声は切なくて、悲しそう…。
…そして…その大勢のまま、ゆっくりとベッドに押し倒された…
「ちょっ…ちょっと…」
焦って押し退けようとしても、私よりも大きくてガッチリとした体は、ビクともしない…。
義兄の唇が私の首に触れる…
ビクッとする私…
…ど…どうしよう…。
「…むい…。」
義兄が消え入りそうに何か呟いた…
「え…?なに?」
「寒い…。」
そう言うと、私をベッドの奥に追いやり、自分も布団に入ってきた。
体を起こし、義兄の顔をみると、真っ赤…。
うっすら瞳を開けて、私をみる。
「風邪引いたみたい…。」
そう言う、義兄はそんな時でも色気が出ていて…
…肌…キレイ…鼻筋が通ってる…
…瞳…吸い込まれそう…
ブラウンの髪…サラサラ…
唇…触ってみたい…
?…いやいや、おかしいでしょ?
…頭の中がおかしくなってきた…。
「瑞穂…病人を食べないでね。」
って言って意地悪に笑っている…
真っ赤になった私…
「少しだけ寝かせて。起きたら帰るから。」
そう言って義兄は寝息をたて始めた。
私はそっとベッドを降りた。
…私のベッドに義兄が寝ているシチュエーションが信じられなくて、呆然と立ちすくむ。
…寝ている姿も、良い男はやっぱり良い男…
自分のおかしな感情…冷静になろう。
静かに部屋を出た。
洗面所に行き、自分の姿を見ると無惨な髪と、無惨な顔に驚く。
ささっとお風呂を済ませ、お肌のケアをし、髪もキレイに整えた…
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自分のベッドで眠る義兄が気になり、静かに部屋に入る。
…夜這いみたい?
んなわけない…
1人でツッコミながら義兄の傍へ…
顔が火照って熱そう…
額に触れると熱い。
アイスノンを取りに行き、義兄の頭の下に置いた。
濡れたタオルで額や顔、首元を拭くと、
「ん…。」
って苦しそう。
さっきまで私の手を握っていた義兄…今度は私が義兄の手を握った…
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