第1話

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私の背中にまわす腕に力が入る。 「もう良いから…瑞穂が無事で良かった。」 耳元で、囁く声は切なくて、悲しそう…。 …そして…その大勢のまま、ゆっくりとベッドに押し倒された… 「ちょっ…ちょっと…」 焦って押し退けようとしても、私よりも大きくてガッチリとした体は、ビクともしない…。 義兄の唇が私の首に触れる… ビクッとする私… …ど…どうしよう…。 「…むい…。」 義兄が消え入りそうに何か呟いた… 「え…?なに?」 「寒い…。」 そう言うと、私をベッドの奥に追いやり、自分も布団に入ってきた。 体を起こし、義兄の顔をみると、真っ赤…。 うっすら瞳を開けて、私をみる。 「風邪引いたみたい…。」 そう言う、義兄はそんな時でも色気が出ていて… …肌…キレイ…鼻筋が通ってる… …瞳…吸い込まれそう… ブラウンの髪…サラサラ… 唇…触ってみたい… ?…いやいや、おかしいでしょ? …頭の中がおかしくなってきた…。 「瑞穂…病人を食べないでね。」 って言って意地悪に笑っている… 真っ赤になった私… 「少しだけ寝かせて。起きたら帰るから。」 そう言って義兄は寝息をたて始めた。 私はそっとベッドを降りた。 …私のベッドに義兄が寝ているシチュエーションが信じられなくて、呆然と立ちすくむ。 …寝ている姿も、良い男はやっぱり良い男… 自分のおかしな感情…冷静になろう。 静かに部屋を出た。 洗面所に行き、自分の姿を見ると無惨な髪と、無惨な顔に驚く。 ささっとお風呂を済ませ、お肌のケアをし、髪もキレイに整えた… ------ ------------ 自分のベッドで眠る義兄が気になり、静かに部屋に入る。 …夜這いみたい? んなわけない… 1人でツッコミながら義兄の傍へ… 顔が火照って熱そう… 額に触れると熱い。 アイスノンを取りに行き、義兄の頭の下に置いた。 濡れたタオルで額や顔、首元を拭くと、 「ん…。」 って苦しそう。 さっきまで私の手を握っていた義兄…今度は私が義兄の手を握った…
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